教育現場で感じた違和感

12年間教師をして実感したのは、学校に登校しづらい生徒が年々増えていることです。

文科省の調査結果にもあるように、2019年度は小中合わせて16万人以上が不登校であることが明らかになりました。

5年前と比べると約4万人ほど増えています。生徒数が減っているのにです。

このように私の勤務していた学校も不登校生徒の数が増えていました。

それにも関わらず、対応は12年前とほとんど変わっていませんでした。

当然、多くの生徒はほぼ登校しないまま卒業を迎えました。

その結果を、家庭の問題、本人のなまけなどと、私の勤務する学校はとらえていました。

とても辛い現実でした。

 

どうして

不登校生徒についての話し合いをしてもっと理解を深めないのか。

誰もがすごしやすい学校にしていかないのだろう。

と、私はそこに1つ目の違和感を感じました。

学校は枠からはみ出す生徒を救うには難しい環境であるなと実感しました。

 

新型コロナでの休校が明けたある日、1人の生徒が学校に来なくなりました。

理由は、「学校に来る意味が見いだせない」というものでした。

・学校に行かなくても勉強はできる。

・人ともネットゲームやSNSでつながれる。

・リモートで仕事ができる。

・どうしてそんな時代にわざわざ学校に行かなければいけないのか。

というのがその生徒の主張でした。

このような主張は初めてだったので、強く印象に残りました。

それから学校とは何なのかと考える日々が続きました。

 

ある日、職員室で

「学校は行かなければいけないもの、それは当たり前のこと」

という会話が聞こえました。

その瞬間、

「学校は行かなければならない」

ものという価値観に2つ目の違和感を感じました。

違和感を感じたあとに、

「学校に行かなければならない」

という考えが、不登校当時の私の苦しみだったことに気づきました。

実際、私が担任していた不登校の生徒は、

「休んですみません」

と顔を合わすたびに言っていました。

 

生徒も私と同じように苦しんでいたのです。

 

トイロを立ち上げた理由

教師時代に、私の経験が不登校生徒の役に立つことが多かった事が1番の理由です。

不思議なことに、心を閉ざしていた生徒とすぐに打ち解けることが多かったです。

生徒が抱く今の苦しみや悩みを共感できたからだと思います。

今でも担任していた卒業生とは連絡を取り合っていて、ここまで変われたんだなあとしみじみすることがあります。

 

もう1つの理由は、子どもたちの選択肢が学校1択になっているなと思ったからです。

「学校に行かなければならない」

という価値観が強く根付いているので、学校以外のもう1つの選択肢が必要だと教師として痛感しました。

それならば学校以外で学校のような教育を受けられる場を作り、そこに通うことで本人と保護者の不安や悩みを解消できるようにしようと決めました。

不登校を経験し、教師として学校現場を経験してきた私とスタッフ達だからこそできることだと思います。

 

トイロの理念

「学校にいけない間の選択肢」

を作る。

この思いで私たちトイロスタッフは集いました。

私は

「学校に行かなければならない」

ということで多くの子どもや保護者が苦しんでいる姿を、教師として目の当たりにしてきました。

学校という枠にはまらなかっただけなのに。その瞬間教育を受ける機会を失い、世界が一気に狭くなってしまう。

 

まさに

「教育の選択肢がない環境」

 

教育に選択肢があってもいいと思う。

ならば、

学校に生きにくさを感じる子ども達が学校のような教育を自分のペースで受けられる場所

を作ろうと思い、私たちは動き出しました。

元教師や現役教師であるスタッフ達が知恵を出し合ってトイロを運営していきます。

 

「枠のない学校」

 

そんなイメージです。

十人十色の仲間と一緒に、

思う存分学んで、挑戦し、人と共に生きていけるようになる

 

つまり

「自立」

を叶える

 

それがトイロの教育理念です。